男だけど「いつかティファニーで朝食を」を最近読んでる

 

相変わらず福島の実家でゴロゴロしている。

 

去年から「マンガBANG!」というアプリでほぼ毎日漫画を読んでいて、1日に8話(加えて動画広告を観ると+5話)まで無料で読めるシステムなので割といい暇つぶしになる。

 

最近読み進めているのが「いつかティファニーで朝食を」というマキヒロチさん作の漫画。

グルメ漫画とストーリー漫画を両立させたコンセプトの作品で、主に東京で暮らすアラサー女性たちが様々なお店の洒落た朝食に元気付けられつつ、恋に仕事に家庭に色々と悩みつつも暮らしていく話だ。

 作中に出てくるお店やメニューは実在のものだそうで、素敵グルメ情報も知りつつ登場人物達ののリアルな心情に共感出来るということで人気なんだそうな。

 

実はこの「いつかティファニーで朝食を」、無料分の冒頭3話だけは少し前に読んでいた。が、当時は登場人物の行動や考え方に対する強烈なアレルギー拒否反応に見舞われ、しばらく続きを読む気がしなかった。

 

毎晩遅く帰ってくる同棲中の彼氏と生活リズムも価値観も噛み合わない!という状況でフラストレーションが溜まった結果、「素敵な朝食を食べる生活をしたい、自分に正直に生きたい」という衝動的な理由で一方的に別れを告げ部屋を出て行く主人公。自分からバッサリと別れを告げておいてさめざめと泣いて落ち込む。

そんな彼女と、仲の良い同年代の友人が築地市場で一緒に朝食をとる。最近の主人公の悩み?に同調しつつ、友人は友人で「不倫の恋に疲れちゃったぁ…」などと独りごちる。え。不倫してんの。

んで、ニコニコして飯食ってる築地のおじいちゃんを眺めながら「あんなキラキラ充実した人生送りたいな☆」などとのたまう。

 

「…この漫画の読者って、こんなおぞましいものに共感してんの?マジで?」

 

冒頭3話で表現されきった、いわゆるちょっとお花畑系女子の無自覚な身勝手さ。強烈な胃もたれが起きてしまい、読み進める事が困難になってしまった。

 

…けどまぁ、自分の感じた拒否感は作品のファンにしてみれば「何勝手にこちらのカルチャーに踏み込んできて、勝手にディスってんの」って感じだろう。すんません。

例えるなら男性向けエロ漫画をわざわざ女性が読んで吐気を催すようなもので、あくまで異文化を覗かせて頂くような気持ちならいいのかなと思って最近改めて続きを読み始めた次第。

 

今50話くらい読んでいるけれど、はじめほど強い拒否感は感じなくなってきた。アラサーならではの焦り感や自分探し感は分からなくはないかなー、とか、仕事で色々大変だったり、エゴイスティックな恋愛感情が頭をもたげるのは分かるなー、とか、自分なりに共感出来る所も出てきたので割と楽しく読んでいる。

 

ちょっといいかもと思い始めていた職場の後輩に彼女がいた事で、別にはっきり好きだった訳じゃないのに勝手にショックを受けて相手への態度が冷たくなったりとか、そんな彼とベタつき始めた職場の新人女にいい年してマウンティングしちゃったりとか。そういう「気持ちは分からなくはないがみっともない」主人公の姿には相変わらずのけぞってしまうけど、逆に言えばよくもこんなにエゴやジェラシーをゴリゴリに描いているなーと感心もする。

 

主人公は、どこか何かに向かって成長している訳でもない。「どこに辿り着くでもなく、ただ泳いでいたい」という。

さすがに自分の身勝手さに反省してる風の描写も時々あるけれど、それはただ突発的な自己嫌悪を定期的に感じているだけだ。そして落ち込んだ時は、またどこぞのオシャレなお店でなんかエビとかアボカドとかが挟まった名物ベーグルサンドなどを食べて「おいしい…」と元気を出してまたどうにかやっていく。

ぐちゃぐちゃになる度、「素敵な朝食」が心の軸を直してくれるといった所だろうか。

 

うへぇ…とは思うものの、それでは自分は彼女を嗤えるだろうか。傍からみたら、何度も同じような迷惑を周りに振りまいて、反省してる風の自己嫌悪に身を切るような思いをして、とりあえずうまい物を食ってどうにかやっていく。そういう点では何だか自分も全く変わらないような気もしてきた。ライフステージや働く場所や人間関係が変わっても、自分の本質的なみっともなさは変わらないもの。今日もエゴとジェラシーをぐるぐるさせつつ、何かを食べることで救われて生きている。

そういうことを、描いている作品なのかも知れないと最近は思う。「メシを食う事」と「厄介な自意識とどうにかやっていくこと」、これら2大テーマを自覚的にごった煮にした作品は、他に読んだことがない気がする。

 

別に熱烈におすすめしたい訳ではないが、自分の知り合いがどんな感想を抱くのか今一番気になる漫画「いつかティファニーで朝食を」。特にアラサーの人に読ませて「どう?」と訊いてみたい。

読んだらぜひ感想下さい。ファンからのクレームも可。

今年やること

明けましたね、どうも今井です。福島でゴロゴロしたり編集したりしてます。

挨拶的なものはFBに書きましたが、こちらでは今年やることを備忘録的に書いておこうと思います。

目標とか抱負というよりTODOという感じです。

 

○さすがに免許とる

合宿を近日中にぶっこみます

 

○ZOZO定期便を申し込む

このままだと永遠に服を買わずいずれダビデ像になるので一番手っ取り早い方法で。

 

○PCC4K買ってRAW撮影のワークフローを実用化する

写真ではよく耳にするRAWですが、映像制作の世界にもその波が来ています。自分でも手が出せる感じに。

去年発売されたBlack Magic Design社のPocket Cinema Camera 4Kというシネマカメラが、RAW入門に大変良さそうなんです。なので近日中に購入してみようと思っています。

そのまま「ええやん、BMD社」となったら、更によく働いてURSA mini Proとか買ってみたいです。

RAW撮影、「色の作り込みの自由度が高い」というメリットは素晴らしい反面、ストレージの圧迫やPCスペックなど色々試してみないと分からない事が山盛りです。こういう技術面のワクワクは分かりやすくていいですね。

 

○ていうか普通にカラコレ・カラーグレーディングを勉強し直す

それなりに日々色と向き合っているつもりですが、もう一歩踏み込んで書籍や日々のトレーニング、そして有料のセミナーなんかにも通ってきちんと学びたいですね。

 

○英語をどうにかする

いずれ国外でも働けたら素敵やんと思うので(逃亡癖の一環)、英語力をどうにかしたいですね。といっても今日明日にどっかいくわけでもないですが。

専門的な話題の動画とか見つけてリスニングやらシャドウイングでもやってみようかしら。

 

○自主制作する

MV系、番組系、ドキュメンタリー系…とっ散らかってますが、「作ってみたいもの」は沢山あるので自主制作は強化したいところ。ただ全部一人でやろうとすると大変だしやる気続かなそうなので笑、仕事にしろ自主制作にしろ色々手伝いあえる人が欲しいなぁ。東京も仙台も。

 

○運動する

日々に運動要素が皆無で全体的に体がだるいのでどうにかします。

 

○たまには旅行する

去年の経験から「旅行はすごい」という事が分かったので行きたいところにはなるべく行くことにしました。そのためにも働かなきゃな。

 

 

 

大体こんなところでしょうか。これらを全部やると私は幸せになることが約束されてます。多分。色々挙げる割に気分でやらない事もあるのは仕様ですが。

まぁまだまだ若輩のおっぺけぺーなので、ぼちぼちやっていきたいですね。やればやるほど勉強不足を感じるのは、しんどくもあり楽しくもあるという感じです。

 

皆さんもこの2019、素敵なサムシング求めて新時代を彷徨って下さい。祈・無病息災。

元号何になるんだろうね。では。

「仮ナレ」の美学

どうも今井です。

先日のエントリを書いたあと、お知り合いの方から「儲かってない感がすごい」とのコメントを頂きました。確かに読み返すと、ルンペンがなんか言ってんなって感じがしますね。

一応働いてはいるんだ、ということをアピールするため、今日はちょっくら仕事のことを書きます。

 

突然ですけど世の映像には、「ナレーション」てのがよく入ってるじゃないですか。

CMにしろ、番組にしろ、WEB動画にしろ。

 

このナレーション、もちろん最終的にはプロの方に読んで頂く訳ですが。

その前の編集段階で、喋りの尺を確認したいとか、クライアントさんに喋りのイメージを固めてもらって収録前に原稿を確定させたいとか、そういう時が結構あります。

そういう時どうするか。エディターやディレクターが、仮でナレーションを入れて編集を進めることがあるんですね。

仮で入れるナレーション、通称「仮ナレ」です。

 

エディターとして入った現場などでは、CMの美しい画にのせておそらく監督が喋ったのであろう、

 

「…ゴホン、この一本でゲンゲン元気…。〇〇製薬の〇〇〇〇…」

 

といった仮ナレを耳にすることがよくあります。

「…原稿とは裏腹に死にそうな声ですけど大丈夫ですか」って感じのノリのが多いです。(※原稿は今適当に考えたものです。念のため)

まぁ、監督さんですからね。後でプロのナレーターなり声優さんなりが声をあてるんで、確認さえ出来れば別にテンションが低かろうが滑舌がアレだろうが全く問題はないんですよ。

 

ただ自分が仮ナレ入れるとなった場合は、「どうせなら制作チームの内輪を笑かせにいった方が楽しい」という理由で、ムダに気合い入れて仮ナレを入れます。

『ところがその時!』という原稿があったら、「…とぉころがそのトキィッッッ!!!」と本当に叫ぶように声入れたりね。あくまで自分のイメージするナレーションに沿ってですけど。

 

そうすると、映像を確認に出した後に返ってきたメールで「感じが伝わりました笑」「笑っちゃいました笑」なんて言葉を頂いたりして、ちょっとやりとりが和むんですよ。これ結構いいなと思って、家で仮ナレする際は結構声張りまくってます。

ルームシェアしてるんで、ルームメイトから「…今朝叫んでたあれ、何してたんすか?」って訊かれますけど。

 

 …という具合に調子に乗っていたら、最近一件だけ本当に自分の仮ナレのまま本チャンまで通ってしまったやつがありまして。

「いやいや、そこはやっぱりプロで録り直した方が…」と訴えてみたんですが、

「今井さんの声がね、なんかいいのよ!笑 今回はこれでいこう!」と言われてしまったので本当にそのまま公開されてしまっています。

 

「え、どれどれ」と探さないで下さい。あと万一見つけても「これでしょ!」って私に伝えないで下さいね。恥ずかしいから…。

 

 

はい。働いてるぞって感じの話でした。それでは。

最近買ったもの

 

どうも今井です。

最近仕事にせよ私生活にせよ色々と物入りです。

今日は最近買ったものを3つ紹介します。

 

 

①破けてない靴

この世には破けている靴と破けていない靴の2種類が存在します。

最近までは前者を履いていたのですが、「雨に弱い」「履いている靴下がバレる」「社会的な信用が下がっていく」などのデメリットがあったため、ちょっとフォーマルな場の撮影現場などのために破けていないタイプの靴を買い求めることにしました。

買った場所はドン・キホーテというお店です。

値札には「サイズが合えば超ラッキー!現品限り3000円」と書いてあり、履いてみたらサイズが合ってて超ラッキーだったので3000円払って買いました。

 

②破けていない財布

以前使っていた財布を失くしてから、割と長いこと結婚式撮影の謝礼が入っていたのし袋に現金やカードを入れて代用していたのですが袋がズタズタに破けて大変なことになってしまっていたため、さすがに財布を買い求めることにしました。いくらお金をいれても破けないので非常に便利です。

買った場所は…皆さん知ってますかね、ドン・キホーテというお店です。

「現品限り3000円!!!!」とやたらビックリマークがたくさん書いてあってお得感があったので買いました。牛革だそうです。

 

③壊れてないし電池も切れていない腕時計

所有している腕時計は壊れているタイプか電池が空のタイプ、あるいは壊れていてなおかつ電池も空のタイプしかなかったので、壊れてもいないし電池が入っているタイプの腕時計をこの度思いきって買ってみることにしました。

この、壊れておらず電池も入っているタイプの腕時計というのは非常に優れもので、腕に着けるとあら便利、腕を眺めるだけで現在時刻が分かります。すごいです。

これでもう、撮影現場でスマホを眺めてクライアントさんから「あら、ディレクターさんスマホ見てる。ツイッターでもやって遊んでるに決まってるわ。もうあの人に頼むのはやめましょう」と思われることはありません。

そういう意味では便利なのですが、デメリットとしては現場中に時間を確認するフリをしてツイッターを見ることが出来なくなります。

買ったのはドン・キホーテでした。1980円でした。

 

 

最近買ったものは以上です。

これらを買う前はつまり、破けた靴履いてお金はズタズタののし袋に入れて腕時計もしていなかった訳です。やばいですね。そんな状態で30歳の誕生日を迎えなくて本当によかった。

 

 

元々ものを長い間使いすぎる癖があって、例えば別れた彼女からもらったものとかも便利でさえあれば永遠に使い倒します。「気持ちを整理するために」などというよく分からない理由でものを捨てるなど、そんなエコロジーに反する行いは出来ませんね。せめてメルカリで売れ。

 

 

はい。そんな感じでした。

こういう事書いてると「仕事ないんですか」「家賃払えてますか」「何だか最近ブログやら質問箱やら、かまちょは楽しいですか」などと言われそうですが仕事はあるし家賃・光熱費は払ってるしかまちょは楽しいです。

 

 

来夏までには、靴底に大穴が空いていないタイプのクロックスを買いたいですね。

それでは。

それは何のためにもならないような

 

はてなブログはしばらく記事を書かないと「最近どうだい?そろそろ書いてみないかい?年末は帰って来るのかい?」的な通知が来るんだけど、

そんな通知すらとっくの昔に来なくなった状態でした。1年以上ぶりか。どうも今井です。

 

ブログやるぞーとか言っといて、3本書いて放置ってやばいですね。

多分このブログ作った時って、やっぱフリーランスなんだしなるべく色んなチャネルで仕事してるぞアピールをせんといかんのか的な、そういう色気というかやらしい事を考えてた気がするんですよ。

読み返したらなんか、新しめの映画の感想とか書いてちょっと映像にかすらせてるし。力んでるし空回ってて恥ずいんですけど。

 

多少時間が経った今としては、仕事のことなんか書いてどーすんねんという感じです。

ぺーぺーの自分がなんか、専門家面して映像のこととか書いてもただただ残念だし、別にブログ書かなくても一応お仕事は頂いてる訳で。

 

じゃあなぜ今さら筆もといスマホを持ってこんなブログ書いてるかというと、たまたま最近知り合いがブログ始めてて「あ、ブログっていいな」と思ったからです。

 

10年くらい前?って、友達みんなmixiで毎日日記書いてたじゃないですか。世代によると思うけど。アラサーの俺はそういう世代なの。

 

ちょっと改めて想像してみて欲しい。知り合いみんな毎日、ブログ書いてんのよ。超楽しかった。なんか真面目っぽい語ってる系の日記にはつい真面目なコメントつけちゃったり。

 

そういう感じをちょっと、最近見かけた知り合いのブログ読んでちょっと思い出して。あ、ブログって人間臭くていいなと。

別に今どきのSNSはダメだとかそういうことじゃないですけれども。Twitterやインスタもいいけど、ブログは長くて濃い。いい。ブログ。

 

話ちょっと飛びますけど、SNSの歴史って承認欲求を満たすことに対する言い訳の歴史だと思ってまして。

 

mixiは「これは日記だから」、

Twitterは「これ投稿じゃなくただのつぶやきだから」

インスタは「この景色・物が綺麗だったから」

Tik Tokは「これ自撮りというよりネタ動画だから」…

 

つまり根っこにあるのは全部ユーザーの承認欲求、つまり「かまちょ!!」(そうでなきゃ何かしらビジネス的な狙いがあったり)なんだけど、あまりに率直にかまちょかまちょ叫ぶのはみっともないんで言い訳として成立するような表現フォーマットが用意されるとみんな喜ぶというね。

 

でもなんか流行りがここまで来ると、ヤケクソに思いきり逆にいきたくなりませんか。「誰も得しないただの長いブログ」とかその最たるものでしょう。別に頼まれた訳でもなく、少しみっともないかも知れないものを、ただうおーと書き散らしましょう。書き散らしましょうよ。

俺は誰を説得してるんだろう。

 

 

 

 

かまちょ今井でした。

今度はもっと日記っぽいこと書きます。

新幹線がちょうど仙台着きます。明日は学校じゃ。

フリーランスになって、こんなに毎日ユルいと思わなかった話。

 

起業というと大げさですが、フリーで映像の仕事をし始めて2カ月ほど経ったのでおおまかに近況を書いてみます。

 

今の生活をざっくり言い表すならば、フリーランス1/3、学生1/3、リタイヤ1/3?」という感じです。あまりガツガツとは働いている感じはないですね。編集などの作業も、実は意識的に18時にはやめるようにしています。(撮影などが夜までかかる場合には別ですが)

 

朝は目が覚めた時間に起き(起き上がれるまで、1時間くらい布団の中でスマホで本を読む)、日中は作業をし、疲れたら休憩。

 

18時に「終業」した後は、近所のスーパーで買い物して夕飯作って食べて勉強したり友達と電話したり何やかんやしたりして、つい夜更かししてしまいつつの適当なタイミングで就寝。

 

日中でも作業が煮詰まったり気分が乗らなかったりすれば近所を散歩したり、普通に風呂とか入ったり、ギター弾いたりしてます。だからこれでフルタイムで働いているとはちょっと言えないような気がします。お爺ちゃんみたいな生活です。

 

ちなみに18時に作業をやめているのは、どこかにしきりを設けないとダラダラと深夜まで非効率なペースで作業してしまうからです。16時くらいに「あと2時間でどこまでいけるかな」的な感じで気分が自動的にピリっとするので、おススメです。その時間以降は勉強や趣味の時間と、はっきり意識を切り替えられるのもいいですね。

 

基本的に18時以降は毎日フリーダムなので、飲み会やイベントの誘いがあれば大抵ホイホイと出かけていきます。飲みついでに名刺配ったり、最近どんな仕事してるかを話したりするとなんかいい感じに人脈的なものが広がっていくみたいです。ここ2カ月で、本当に色んな方とお知り合いになりました。

 

人脈を広げる…というと何かガツガツした精神をイメージしてしまいますが、「何がなんでもこの出会いを仕事に繋げたるぞオラー!!」的な考え方はなんか疲れるだけな気がします。いくらガツガツしてても腕が悪けりゃ仕事頼みたくないし、「何がなんでも」で取った仕事ってなんか自然じゃない方向に転びそうですし。おすし。

 

どうせまだそんな大したもんになった訳でもなし、名刺を交換させて頂いた際は売り込むより先に相手に興味を持った方がいい事が多い気がしますね。駆け出しなので、ベテラン目線だとまた色々違うのかも知れませんが。

 

あと、技術も知識もまだ未熟なので、週末は東京に行って映像の学校に通っています。それと週一で専門学校の講師もやっていますが、こちらは今のところたまたましばらく休講が続いております。

 

それにしても…たった2カ月なのに、有難いことに色んな仕事をさせて頂きました。こないだはニホンジンのMV撮りましたし、他の会社さんからも短めのVTR制作とか、撮影だけの単発の仕事とか、いつぞやはコンサートの記録撮影からDVD納品、という事もやらせて頂きました。自宅作業のスタイルはユルくありつつも、我ながら「いかにユルくやるか」を日々追求しているだけあって納期は遅れないですね。

 

時間に余裕があると自分なりにサービス精神を発揮した作業が多少出来ますし、作ったものへの評判も「あー、ガッカリ!!」なんて声は頂かないのであとはスキルアップを目指したいものです。

 

 

えー。そんな感じです。

 

「もうちょっとシャキっと働いた方がええんかなぁ…」という気持ちと、「仕事がギュウギュウに来れば否が応にもシャキっとするんだし、今のうちにのんびり勉強でもしとくか」という気持ちが相入り交じった不思議な毎日です。

 

それではそろそろ。

今某撮影のロケ地を一生懸命探してるんですが、なかなか見つからない今井でした。

ここが良かった!実写版「美女と野獣」

 

 

現在劇場公開中で割と好評らしい実写版の「美女と野獣」を、仙台の映画館で観て来ました。

 

俺みたいな28歳小太り無精ヒゲほぼ無職みたいなもんがディズニーのラブストーリー観に行っていいのか、楽しめるのかというのはかなり気になる所でしたが、

蓋を開けてみればこれが思いのほか、28歳小太り無精ひげほぼ無職が観ても結構面白い映画になっておりました。

 

この実写版「美女と野獣」、ビジュアル面では旧アニメ版を忠実に再現しつつもストーリーの内容には結構オリジナル要素が盛り込まれていました。

そのオリジナル要素で、個人的に「ここが良かったなあ~!」と思った所を以下に挙げていこうと思います。

 

※実写版は当然ながら初見、アニメ版もむかーし観たきりなので所々間違いがあるかも知れません。その際はガンガン突っ込んで下さい。

※めっちゃネタバレしているのでご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレなんでちょっと空白を挟んでおきます。

 

 

 

 

 

 

さて今回の美女と野獣、何がよかったかって言ったら「実写版のオリジナル要素が非常にちょうどよく、バランスが絶妙だった」という所でしょう。

実写化作品というとよく残念な例として「余計な要素を加えて原作の良さをブチ壊し」パターンと「漫画・アニメだったから成立した内容をそのまま実写化してサムくなる」パターンが取り沙汰されます。

 

ところがそのあたり、さすがは世界のディズニーと言うべきか。

今回の実写版「美女と野獣」は、おかしなオリジナル要素も、旧作通り過ぎて興ざめという事もありませんでした。

「ビジュアル面は、VFX技術でアニメ版を見事に再現」「脚本面では、ただ実写化しては薄っぺらくなりそうな所をオリジナル要素で補強、オトナも観れるドラマ作品に」という非常にちょうどいい感じになっておりました。

 

衣装などは本当にアニメ版そのままですし、お城の喋る調度品などもディテールこそ異なれど「そうそう、これこれ」と言いたくなるザ・実写化とでも言うべき再現度。

ダンスシーンも、あの黄色いドレス着たベルとあの青いタキシード来た野獣があの部屋であの踊り方してるんで、あれ旧作ファンは「…ほわぁぁぁぁぁ…!」でしょうね。

 

で、そういう見た目の要素はバリッバリの再現映像だったとして、先ほど触れた脚本面での「補強」がどういうものだったか。

個人的に「こりゃいい!」と思った「補強点」を3つ挙げようと思います。

 

 

  

①野獣をはじめとした城内の泥臭い企業的なノリ

 

この映画、終始野獣が「ガオー!!」と吼えているようなおっかない系ファンタジー全開でいくのかと思いきや、野獣の恐ろしさがフィーチャーされるのはせいぜい初登場から5分程度。

 

その後の城内での野獣はぶっちゃけ、「ヘソを曲げると厄介だけど何だかんだで慕われていて、気付けば年上の部下たちにフォローされている社長」みたいなノリです。(まぁ、王子ですからね。)

 

重い牢獄の扉を前に「もう二度とその扉は開かんぞ…」などとせっかく重々しく宣言したのに、そのすぐ後に燭台の人がその扉をアッサリ開けた挙句

「あー、『もう二度と…』とか言ってたでしょ?あるあるうちの代表そうなんすわーサーセンww」とか言ってるし。(言い回しは違うけど)

この一言で、もう野獣は野獣じゃないです。ただの「社長」です。

 

一方で時計の人は「ちょっと今回は上(野獣)に一言モノ申したりますわ」的な粋がり方を城内の家臣たちの前ではしつつ、野獣がそばに来ると思うと途端にビビり出したり。なんだお前、ただの中間管理職か。

 

城の人々(調度品だけど)が和気あいあいと笑いあっている声を聞きながら、「(上司である)俺が近くにいくとあの笑い声が止むんだよな…」的な愚痴を野獣がベルに漏らしたり…。

 

 

会社か。

会社だこれ。「株式会社野獣」。

なにこの、中世の鎧をまとった現代的な職場の人間模様。

 

 

旧作のアニメ野獣にも「家臣たちにアドバイスされるお茶目シーン」はあったけど、実写じゃまさかここまで日本の中小企業を取材して取り入れたような人間模様を強調してくるとは。

でもその結果、野獣と城内の人々の人間関係がとても泥臭くも愛らしくなっています。そして城内の人々にどんなに心配され愛されていても孤独な野獣の姿が、「だって社長だから」というリアルさによってものすごい説得力を得ています。

この辺の表現の機微の違いは、実写映像である事と相まってすごく良かったと思う所です。

だってこんな人たち、助けてやりたくなるでしょう!?

 

 

②ベルと野獣、二人の両親に関するエピソードの追加

 

なぜヒロインのベルに母親がいないのか、野獣がどのように育てられてああいう性格になったのか。そういう事が劇中でかなりはっきり描かれていました。

 

この辺りが今回の一番目立つオリジナル要素ですが、これが個人的には大ハマリ。

 

互いの両親の話がかなり明らかになった事で、ストーリーがかなり普遍的で深みのあるものに変身していました。

旧作アニメでは確か「意外といい人だったし、私みたいに本とか読む人だし惹かれちゃった」みたいな比較的シンプルな恋愛模様だったのに対し、今回ベルと野獣は互いの家庭の話にかなり踏み込みあいます。

 

そしてそれによってベルと野獣との恋愛が単なる男女の惹かれ合いだけではなく「各々の家庭に起きた歪みを、下の世代同士で乗り越えるための愛」とも読み取れるというね。

 

ついでに見事だったのが、あのラストのダンスパーティーシーン。

ベルと王子(元野獣)の幸せな様子だけでなく、色んなペアが色んな愛情を抱えながら踊っている様子が映されていて、より作品のテーマに普遍性を持たせたかったのではと感じました。

冒頭の嫌な感じのパーティーシーンとの対比がすごいっす。恐ろしいわディズニー …。

 

 

③やたら殺伐とした村。

 

アニメ版とは、ベル達の暮らす村の様子もだいぶ変わっていましたね。

 

アニメでは「本の中のファンタジー世界に溺れているベルを少々風変りとしつつも、皆それなりに仲良く平和に暮らす村」だったのが

実写では「『読書(=知性)など要らねえ。特にオンナには文字を教えるな』的な価値観が根強く、一人先進的なベルを冷笑・迫害する狭苦しくてひどい村」になってます。

 

要するに村全体がバカの国になってる訳で、その中でも影響力のある強いバカが悪役のガストン、っちゅう訳です。

 

そんな中、ガストンの相棒(というか手下)のル・フウは逆に賢くて健気な奴になっていました。

ガストンを励ますために酒場にいる人々にこっそり小銭を渡したり、村人を扇動するガストンの背中を見ながら「野獣は俺の目の前にも…」などとこっそり口ずさんだり…。おいどうしたル・フウ。IQ上がってんぞ。

 

そんなル・フウの賢さが、逆に村全体のバカっぽさと閉塞感を強調しています。

自分よりバカなガストンに媚びてまで立ち位置を作らなきゃいけない村って事ですからね…。中学校の教室みたい。

 

(追記)

今回の実写版、「ル・フウは実はゲイで、ガストンに惚れていた」という公式設定があった事を記事執筆後にTwitterでお知らせ頂きました。

なるほどそれを踏まえると、上記の「ガストンに媚びていた」という考え方は誤りですね。失礼失礼。

 

で、こういった村の変更点も結構いい方向に働いていて、ベルの「誰も分かっちゃくれない」「ここではないどこかへ行きたい」感じが同じく孤独だった野獣との共感・恋愛に強く繋がっています。

 

更に、城の呪いが解けた後のラストのダンスパーティでは、村の人々に交じってパートナーと楽しそうに踊るル・フウの姿が!

「抑圧されていた知性」が解放された事の象徴という事なんでしょうか。ル・フウのハッピーエンドは見ていて朗らかな気持ちになりました。

 

そういえば、呪われた城の中に広大な図書室があった事や呪いが解けた後のダンスパーティーに村の人々が参加していた事を考えると、

呪われていたのは城だけでなく村もだった、とも考えられますね。あの魔女は、バカな人間たちがもう一度愛と知性に目覚めるのを待っていたのかも知れません…。

 

 

 

さて、よかったと感じたオリジナル要素は以上です。まとめると、

 

①呪われた会社(城)の上司・野獣とそれを慕う部下たちの、企業的で泥臭くも温かな人間関係

②ただの男女間の恋愛話にとどまらず、家と家の物語にまで踏み込んだ事で深みと説得力を増したラブストーリー

③抑圧された知性の解放により、本当の自由を手に入れた村(というかル・フウ)

 

これらの追加要素により、今回の美女と野獣は実写映像になっても鑑賞に耐える素晴らしいドラマに仕上がっていたように思います。

実写という表現の器にふさわしくなるよう必要な分だけ物語の厚みを増したという感じで、これ実写化のお手本と言ってもいいんじゃないですかね。

このバランス感覚、何度でも言いますがほんとすげーなと思いました。面白かった。

 

 

最後にちょっとだけ不満だった所も挙げておくとすれば、次の2点でしょうか。

 

【その1】

捕まった父親の身代わりにずっと城に残ると申し出ておきながら、入るなと言われた部屋に勝手に入ってちょっと怒鳴られたからと城を飛び出すベルの行動はちょっとヤバい。

しかもその後オオカミに襲われて、身を挺して助けてくれた野獣に「アナタのせい!」とか言ってるし…頭が疲れてたんか?

 

【その2】

ダンスシーンの後の野獣の告白、すげー自信なさげで遠まわしだったのはシャイボーイっぽくてよかった。

その後父親が心配なベルを気遣い、自分が人間に戻れなくなるのを覚悟で城を去らせたのもカッコよかった。(昭和の渋い俳優かお前は。)

 

でもその後、「あの子めっちゃ好き!」「また来てくれたらなー!」的な歌詞を城中駆け巡りながら大声で唄うのはさすがに情緒がなさすぎ。いやいい曲だったけども。

いくらミュージカルと言えども、もっとシンミリした「これで良かったのだ…これで…」的な内容の曲で良かったんじゃないのか?

 

 

 

以上、長くなりましたけれども感想でした。