「仮ナレ」の美学
どうも今井です。
先日のエントリを書いたあと、お知り合いの方から「儲かってない感がすごい」とのコメントを頂きました。確かに読み返すと、ルンペンがなんか言ってんなって感じがしますね。
一応働いてはいるんだ、ということをアピールするため、今日はちょっくら仕事のことを書きます。
突然ですけど世の映像には、「ナレーション」てのがよく入ってるじゃないですか。
CMにしろ、番組にしろ、WEB動画にしろ。
このナレーション、もちろん最終的にはプロの方に読んで頂く訳ですが。
その前の編集段階で、喋りの尺を確認したいとか、クライアントさんに喋りのイメージを固めてもらって収録前に原稿を確定させたいとか、そういう時が結構あります。
そういう時どうするか。エディターやディレクターが、仮でナレーションを入れて編集を進めることがあるんですね。
仮で入れるナレーション、通称「仮ナレ」です。
エディターとして入った現場などでは、CMの美しい画にのせておそらく監督が喋ったのであろう、
「…ゴホン、この一本でゲンゲン元気…。〇〇製薬の〇〇〇〇…」
といった仮ナレを耳にすることがよくあります。
「…原稿とは裏腹に死にそうな声ですけど大丈夫ですか」って感じのノリのが多いです。(※原稿は今適当に考えたものです。念のため)
まぁ、監督さんですからね。後でプロのナレーターなり声優さんなりが声をあてるんで、確認さえ出来れば別にテンションが低かろうが滑舌がアレだろうが全く問題はないんですよ。
ただ自分が仮ナレ入れるとなった場合は、「どうせなら制作チームの内輪を笑かせにいった方が楽しい」という理由で、ムダに気合い入れて仮ナレを入れます。
『ところがその時!』という原稿があったら、「…とぉころがそのトキィッッッ!!!」と本当に叫ぶように声入れたりね。あくまで自分のイメージするナレーションに沿ってですけど。
そうすると、映像を確認に出した後に返ってきたメールで「感じが伝わりました笑」「笑っちゃいました笑」なんて言葉を頂いたりして、ちょっとやりとりが和むんですよ。これ結構いいなと思って、家で仮ナレする際は結構声張りまくってます。
ルームシェアしてるんで、ルームメイトから「…今朝叫んでたあれ、何してたんすか?」って訊かれますけど。
…という具合に調子に乗っていたら、最近一件だけ本当に自分の仮ナレのまま本チャンまで通ってしまったやつがありまして。
「いやいや、そこはやっぱりプロで録り直した方が…」と訴えてみたんですが、
「今井さんの声がね、なんかいいのよ!笑 今回はこれでいこう!」と言われてしまったので本当にそのまま公開されてしまっています。
「え、どれどれ」と探さないで下さい。あと万一見つけても「これでしょ!」って私に伝えないで下さいね。恥ずかしいから…。
はい。働いてるぞって感じの話でした。それでは。