少し冷たい春の風

アンテナのワンマンライブを観に、仙台までやってきた。

(まるでアンテナのファンブログみたいになっている)

 

ジャンクボックスはアンテナがアマチュア時代に初めてライブに出た会場らしい。今回のMCで初めて知った。それが今や5公演のツアーの会場の一つでチケットはソールドアウトだというんだから、沁みる話だ。

 

ライブが終わって会場から出る時、一人の女の子と目があい「あ。」となった。

バンドをやっていた頃、よく自分たちのライブやイベントに来てくれていた子だった。

 

ほぼ2年ぶりの再会?に、思わず懐かしくなった。彼女は進学した事や、将来就きたい仕事の事などを話してくれた。今は他県に住んでいるらしい。

 

「今、何してるんですか?」

「働いてるよ。働いてるか、ゲームしてるか、ギター弾いてるよ」

「私もう〇歳になったんですよ」

「俺なんかこないだ30になったよ」

「えーー!?うわーーー!!」

 

時が流れたんだなぁと思いつつ、フォーラス前で「じゃ、頑張ってね」「お元気で」と言い合って別れた。

そのまま仙台の家に帰り、徹夜明けだったのでそのまま寝た。

 

そして翌日(つまり今日)。朝早く起きたので家で編集作業を進めつつ、煮詰まってきたのでコンビニに散歩がてら行った。

お店のレジに、よく見かける女の子が立っていた。彼女もバンド時代にイベントによく来てくれていた子で、そこのコンビニにレジを打ってもらいつつ一言二言話すことがたまにあった。

 

目があい、「あー今日お会い出来てよかったですー」と話しかけられた。

聞けば、そのコンビニで働くのは今日が最後だそうだ。

この春進学するので、宮城を出て関東に行くとのこと。

彼女にも目指している職業があるらしい。いつかなんかの機会に一緒に仕事出来たらいいね。なんて話をして、炭酸水を一本買ってコンビニを出た。

 

朝はとても寒く雪もちらついていたのに、いつの間にかよく晴れてとてもいい天気になっていた。

帰る途中、びゅうっと強い風が吹いて、アパートのどこかの部屋から洗濯物のジーンズが目の前に飛んできた。拾って、近くのフェンスにかけてやった。

少し冷たいけど、それでも春の風だなあ。と思った。

 

自分もおそらく、あと1~2か月のうちに仙台の物件は退去することになりそうだ。

仙台には特に仕事か用事がある時だけ来ることにしようと決めたので、いずれこの街も自分にとっては「旅先の地」になるんだろう。というか、今回新幹線から降りた時にはもう、ちょっとそういう感じがした。以前住んでいた懐かしい旅先、という感覚だ。

 

この街を歩くたびに、面白いように誰か知り合いとばったり出会う。話しかけられる。

アーケードのスピーカーからお知り合いの方の歌が流れてきたり、店先に貼られたポスターや自販機の広告で見知った顔を見かけたりする。

随分と特別に楽しい思いをさせてもらったものだと思う。

 

立て続けに懐かしいことばかり起きてしまって、少しエモい気分になってしまった。

あまり長くいると居心地がよ過ぎるので、今回も早めに東京に帰って仕事の続きをしよう。

 

いややっぱり、今日くらいは夕方から国分町行って酒飲もう。